ひたすら読んでいたこの数か月のマンガについて書きたいです。
前置きが長くなりますが…
夫さんがウツ病
一応医者が病名をつけたのでそうみなして対応してきました。
(鬱状態であるかウツ病であるかその境目はあいまい。他の病気である場合もあるようです。神経症とか)
心療内科というところは対処療法が基本なので「〜の状態で困っている」というその「状態」に対しての投薬をします。話を聞いて認知療法というのは、医者ではなくカウンセラーのやることで、保険が効かない領域となります。
ともかくも半年前にきっかけがあり、夫は極度の鬱状態になりました。
最初はありとあらゆる「問題」について深刻に悩みはじめたので、単に悩んでいるだけなのかと思っていました。なので、解決法を提案したりさらには愚痴をひたすら聞く、という対応をしてきました。しかし、どうも様子がおかしい。
問題そのもののことを悩んでいるというより、手当たり次第、考え込み落ち込んでいる、という感じなのです。みるみる痩せていき、戦時中の日本兵のようです。なによりも眠れてないのがきつい。
ふたりで心療内科へ
昨年のことで私も相当にダメージを受けているので、私も眠れない。
こういう場合は心療内科にかけこんで眠剤をもらうのがてっとり早いと判断しました。でマイスリーをまず貰ったのです。マイスリーすごい。たしかに眠れます。
しかし、起きている間はひたすら悩み続けます。
この状態はなんなんだろう、どうしよう、と、いろんなとこ(心療内科だの保険センターだの)に相談したりしてようやく今やなんとか乗り切った感があります。相談にのってくださった色々な人にただただ感謝しています。1時間くらい無料で聴いてくれた心理士さんもいました。
精神医療や機関にかかることに抵抗がある人がいることは承知してます。が、閉じこもり落ち込んでいてもしょうがありません。第三者や医療機関は適切なアドバイスをくれます。
昔はネコも杓子もキツイ薬を大量投与して知らんぷりというのが問題になってました。が、最近は鬱病はメジャーな病気です。依存症にならない投与や薬剤を提案してくれます。合わなければ医者を変えたり薬を変えたりしたらよいのです。
私もこれを機に
数ヶ月はそれとの格闘ではありました。その過程で夫婦の発達障害が判明したりしました。発達障害持ちは二次障害で鬱になりやすいという知識も仕入れることができました。
支える側としては、自分のせいでなったのではないかとも考え込むことも多く、それで落ち込みもしました。別居を真剣に考えもしました。
あれやこれや原因を考え込んでも進みません。これを機会に自分の性癖とも取り組もうという気になりました。今後どうするかは健康になってから考えたらいいのです。なので、この半年は発達障害に関して真剣に考え記事にしたことも多くありました。
私はウツ病ではなく一時のPTSDと多少の不眠ぐらいです。あなたは投薬するほどの状態ではないといわれましたが、半年前から十数年辞めていたタバコやストレス食いがやまらないことを話すとストラテラをすすめられ、飲んでいます。
ストラテラではアスペルガー的なコミュニケーションの問題は解決しません。しかし気持ちをフラットにしてくれました。仕事や家事の手順が安定し、思いつきで発言行動したりということがなくなりました。
なので、うつ病の家族に対して平常な対応は多少はできるようになった、その一点のためだけでも私も飲んだかいがあったのではないか。
なぜかというと、人中に出て外食をする、ということが一切できなくなった。ムリくりでも食べて栄養を取らないとどんどん痩せていきます。私の料理に責任がかかってきます。
ただでさえ苦手な家事や料理をどうすればいいというのか。ネットには脳に効く、落ち込みに効くレシピは沢山出てますが、そんなもん私に作れるわけないじゃん、仕事と家事のマルチタスクでパニックにしょっちゅうなってるのによお。と私が落ち込んでしまう始末です。
しかし、ストラテラで家事やらのマルチタスクがそう苦にはならなくなった。(上手にはなりません。苦にならなくなっただけです)助かりました。ストラテラばんざい。
私が不安定だと夫は悪化し絶対に崩壊するでしょう。なので当分は飲み続ける方針です。
なによりも夫が医者が薬が大嫌いという人なので(風邪薬さえも嫌い)「私もストラテラ飲んでるんだからあなたも抗うつ剤を飲みなされ」という連帯的論方が通じるのです。
もちろん、心配で泣いてしまうこともありますが、そういう事態のために私自身にも頓服も処方してもらいました。どうしてそうなっちゃったの?なんてことを泣きながら相手に言いたい時に辛抱して飲むのです。平静になれました。
ゴロゴロ
で、ようやく病状は落ち着いてきました。
10キロ痩せた体重は半分戻りました。あとは様子を見ながら問題へのアプローチと減薬を試みる機をゆっくり計っていきます。まあ1年以上はかかるんじゃないでしょうか。
最近の薬は非常に良いです。依存性がない効果のある薬が沢山あります。で、薬もいいですが何より良かったと思うのが
ゴロゴロする、ひたすらゴロゴロする。
というのが良かったと考えてます。
不眠は眠剤で対処できますが、眼が覚めたあとが問題でした。
起きている間の落ち込みや鬱状態、強迫観念は、非常に困ったことでした。
私は生来の怠けものなので、ゴロゴロしていたら楽しいのですが、ウツ病の人はゴロゴロしている間も辛いらしいのです。「本が好きなのに本が読めない。活字が追えない。考え込んでしまうので」という。テレビも音がつらい。ドラマはもうストーリーが追えない。ニュースもつらい。新聞などとてもとても。
じゃあマンガはどうだと
漫画を読ませてみたら、ブツブツ言いながら没頭しはじめました。
あれ?いいんじゃね?
と藁にもすがる気持ちに。
ブックオフだAmazonで漫画を買い集めてはベットに積み上げました。私も読んでたら、深刻にならずにすむので、助かりました。
読めば読ますほど、夫が落ち込んでいる時間が減っていきます。
こいつはいいぞとばかりマンガ購入に数万使いました。外食にはいかん、遊びにもいかん、買い物なんてもってのほか、という数ヶ月だからヨシとしました。
で、アラフィフ夫婦のこの数ヶ月。家にいる間は何もせず、ゴロゴロして食べては漫画を読み、夜が来たら眠剤で眠りにつく、という日々。ひとさまにはとても見せられない大人とは思えない状態です。ほぼ怠け者の小学生です。
悲しいことを「置き換える」
しかし、これは医者にいわせたら「置き換え」という状態にあたり良かったとのことです。要するに気をまぎらわすに過ぎませんが、気をまぎらわせないと休めないのです。
ウツ状態のとき、辛いことにガップリとりくんではいけない。もう心身がダウンして、ガップリ取り組めないからウツになるんだから、辛いことを考え続けたら悪化するだけ。全然違うことに気楽にダラダラかまけて休むこと。
というのが「置き換え」という。
ゲームもよさそうですが、下手したら依存症になり廃人になりかねません。(電子機器は不眠を誘発しウツを加速させる)
紙の漫画だから良かった。読みながら悩んでてもいつしか寝てしまうことができるので。よくウツにはスポーツや瞑想がいいやら情報がありますが、落ち込んでいるときにそんなことが出来るなら鬱にはならないよ、ケッ。
で、この数ヶ月の間読んだ漫画の話をします。ウツ漫画療法といってもいいんじゃないかと思います。もちろん漫画でウツは治りません。医者は必ず行かねばなりません。投薬も大事です。まんがは休むための時間稼ぎです。マンガを読んでいたらクヨクヨではなくて、ダラダラすることができます。ダラダラゴロゴロが一番ウツ状態のときは大事なのではないか。
読むマンガにもよる
しかし読むものを厳選しないとさらに落ち込むはめになります。どの漫画がウツ状態に良かったか悪かったかレビューします。あくまで私的な感想です。その漫画の出来のよし悪を書いているわけではありません。
沢山あるので、数回続けて。
まずは「アシガール」でした。当時、ドラマが放映されていて、原作を読みたくなって私自身が買ったのです。それを夫に読ませたら没頭した。
高校生が主人公の少女マンガですよ?でも50代の男にもあれは面白かったらしい。
最近のマンガはコマが大きいし、セリフが少ないんです。そこが鬱の脳にもスッと入っていったようです。
アシガールにはほんと感謝します。

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