夏の野山には昆虫がいっぱいだ
野山歩きが好きなのは頂上に上りたいからではない。見晴らしのいい景色に惹かれるのでもない。
生き物、特に昆虫たちに出会いたいからである。
夏、湿った土地の日本国の森林には昆虫たちが蠢いている。
そこには出会いがある。
彼等はペットでもコレクションでもないので、ただ出会うだけである。
対等な生き物として。
湿ったムシムシした空気の中で彼等との出会いを楽しむのだ。
宇宙に行っても何もない
昨日、宇宙飛行士になりたい少年のニュースがあって「火星に行きたい」などと目を輝かせていた。その姿は微笑ましくて、誰もが応援したくなるが、その気持ちが分からない。
宇宙開発が下火になったのは経済的な側面はもちろんだが生き物がいないせいではないかと考えている。「遠くへ、遠くへ」行きたいと考えるのは人間の根源的な欲望の一つである。だからエベレストに行きたい、火星に行きたいと夢見るわけだが。
前人未踏の場所に行った感動を甘受できるのは、ただひとり。最初の人だけだ。そこがつまらない場所だったら、二人目からは行く意味があるのだろうか。
高い場所が好きだったり、そんなすごい場所にのぼってすごいね、と言ってもらいたい山岳アスリートや冒険好きな人だけだ。彼等はその場所が好きなのもむろんあるだろうが、達成感と名誉欲もあるのだろう。スポーツの領域である。宇宙旅行もその側面がある。(ホリエモンさんのような宇宙開発は旅行の需要を考えている)
旅の目的は頂上に上ることだけではない
私は高い山に登ること、そういうアスリート的な一番になることに興味がない。
生物に会えたらいいのだ。だから野山歩きでは目的地はなく、生き物がいたらそこでグズグズと立ち止まるのだ。そして声に出して虫たちに挨拶をする。
ハローハローエブリバディ!と。
野生の鳥や虫たちはギョッとして逃げる。
高度成長期、宇宙計画などの時代、月に行きたいと人々が考えていたのは「宇宙人に会えるかも」とひそかに期待していたからではないか。
偉大な人類の一歩
をアポロが踏み出したがいいが、そのあとがつまらない。どこまでも続く、荒涼たる世界が月という場所であった。確かに鉱物資源など、お金や経済の香りはするが、人々が胸躍らせるようなワクワク感は、やはり、生き物、イキモンがいないと得られないのではないか。
火星は確かに、少し生き物がいる可能性がある。
しかし、なんとなくみんなウスウスと気が付いている。
誰もいないんじゃないかな…。
あの不思議サイトのトカナや東京新聞などはいると言い張るでしょうが。
人間は何かに出会わずには生きられないのだ。コミュニケーションを取りたくて遠くに行くのではないか。
そうでなければ、火星だのなんだの言わない。月で鉱物掘っているのは正直、国策や世界の発展にはいいが、少年じみた夢を見る余地が残らない。
だから遠くに行きたいのだ。
イキモンに会えるかもしれないもの。火星人がいるといいね。
夏の野山には見たこともない生き物が沢山いる。
昆虫に関しては、あのクワガタやカブトムシが人気だが、普段見たこともないような虫がいるのである。カブト虫のいるところには(クヌギの樹液)スズメ蜂などがいるので、子供が怪我したら大変なので、殺虫剤を撒いている自治体も多い。
なので、クワガタ虫も減り、他の虫もそのせいでいなくなる。
かくして、ペットショップや都会のビルの子供向け夏休み「クワガタ展示会」などでしか虫に触れあうことは少なくなった。
しかし、本来、虫は生き物は楽しいものなのだ。ペットとは違う、いや、ペット以上の面白さがある。ヘビを手掴みで捉えて瀕死に陥ったあの子供たちもそういう面白さのとりこになったのではないか。
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だから、テレビの危険生物を報道する番組、池の水をさらう番組がうけるのだ。
人々は未知の、しかし、ありのままの生き物と出会いたいのだ。
もちろん、人間の方が上位(というか強者)ではあるし(あのヒアリやスズメ蜂などはそう思っていないかもしれない)彼等は天敵に出会ったとばかり、身を隠そうとしたり襲われないように擬態をしたりする。
そこがいいのだ。彼等は尻尾をふってエサをねだったりしない。
それが「イキモンとの出会い」なのだ。
とはいえ、熊などは襲ってくるので注意が必要だが。
私の夏に出会った魅力的な虫たちの秘蔵画像を放出しよう。
↓↓↓虫嫌いの人は見ないでね^^↓↓↓↓
ヘビに擬態する蛾
顔が蛇の顔に似せていることで自分を守っている。
私は蛾が好きです。
オオミズアオイ
これをはじめて、美山(京都府南丹市)で目の前でみたとき、一時間くらい離れることができなかった。
この世で最も美しい蛾ではないかと。
四つ葉のクローバーのような蛾 愛おしい。
枯れ葉に擬態している蛾
このフサフサした素晴らしい毛皮を見てほしい。
こんな美しい毛皮はどんなデパートにも置いてない。
不思議な足の長い長いクモ。どうやって狩りをするのだろう。
手足が長いといえば ナナフシという虫
これは、木の枝に偽装するのである。
これを以前見つけて、小学校低学年の男のお子さんのおられる仕事仲間だった主婦にプレゼントした。仲良くなりたくて。もちろんケースも付けた。
それをあとで夫に厳しく諫められた。「だから君には女友達が少ないのだ」と。
次の日「変なものを差し上げてすいません」と詫びたが、ひくひくとした(笑)を彼女はし、子供さんの感想も述べなかった。
家に帰り泣いた。
私が大好きで大好きでたまらない虫のひとつ。カミキリ虫
いつ見てもこの完璧なフォルム。美しくてうっとりとする。
勇壮でいて繊細。人間に対し、
ガチガチガチと口を鳴らし、触覚を動かし、喧嘩を売ろうとするさまは
ヘビーメタルのボーカルのようだ。
水玉模様のカミキリ虫。
全国に色々が柄と色のカミキリムシがいて、好事家もいるそうだ。
関西には、もっぱらこのゴマダラと呼ばれるもの、黒いもの、茶色いものが多く分布している。
阪神タイガース色の素晴らしくPOPなカミキリ こんな虫が部屋にいればと思うが、カミキリを飼うのは難しいのだ。
これからも野山の荒ぶる妖精でいてほしい。
太ったクモ。クモにも色々な柄がある。
夏の最後にイキモンに会いにいこう
このように、少し野山に行けば、素晴らしい出会いがある。
夏休みもあと少しだ。観光地や遊園地は人が多いばかりで、お金も飛んでいく。
少し、奥地に行けば美しくかつ面白い虫たちがいっぱいだ。ぜひいかがでしょうか。
虫はもちろんだが、運がよければ野生のウサギや猪に出会える(いのししは逃げた方がいい)珍しい鳥、見たこともない素晴らしい花や植物もいる。もちろん採集禁止場所は守らないといけないし、乱獲もいけないが。
もちろん危険な虫もいるし、天候の具合もあり重々装備したり気を付ける必要がある。立ち入るのが危ない場所もある。そういう処には入らないか具合を見ながら気を付けて歩き、それでもたまにヒルや変な虫に刺されて慌てふためくことがある。それも一興だ。
そのイキモンとの出会いは忘れられない思い出になる。