京都には口さがない人が多いような気がします。
主に同業者のワルクチ。あの店はどうのこうの、あの店主はテレビに出ていい気になっている。息子は裏口入学、材料を偽装し、嘘をつき客寄せして儲けている等々…。自営業者が多いし、ご自分のお仕事に誇りを持っているのは良く分かるんですが…。よくもそんなにバラエティに富んだ悪口が次から次へと…w
ヨソさんのこちらにしたらどうでもいい。
しかし、厳しい京都人の中でも悪口を言われない店はちゃんとあって。同業者に尊敬されて褒められる一方である、という店がある。そういう店はすごいわけですね。味も接客も。京都人は陰口の多い民族性(?)ですが、心底イケてる同業者はちゃんと褒めるという公明正大な審美眼があるんだからホント小憎らしいw
そういう数少ない店のひとつが寺町のスマート珈琲店だった。
あの店の努力や誠実や味は素晴らしいとイケずおばちゃん店長が手放しで褒めていたのでした。
ええ~そりゃ贔屓目ちゃうの?知り合いとか?と思って数年前行ってみたらノックダウンされました。
これは美味い、すごい。
その後、何度か通うのですが、その評判から行列が絶えることがなく、なかなか入ることができませんでした。
しかし、最近、朝のジョギング帰りなら3回に1回は滑り込めることが判明しました。お昼や午後のティータイムはダメですね。行列必須です。
価格もね、そんなに安くはないです。モーニングセットもないですしね。
でもこの数年ずっと行列が絶えません。どういう秘密があるのか。
この看板を見たら、とてもシンプルなメニューです。派手派手しいパフェもありません。お昼は確か揚げ物などのセットメニューがあったかと思います。ケーキもたぶんありました。
しかし、基本は、この
ホットケーキ
フレンチトースト
プリン
このsmart珈琲さんの三大メニューです。
以前、この3つをいっぺんに頼んでテーブルに並べてる人がいた。ブロガーさんらしき人。ドヤ顔で店内も無遠慮に撮影しまくっていました。たぶん他府県の方で一度しか来れないからそうなさったんでしょうが。静な雰囲気なのに、気ぜわしく撮影してちょっと(いやかなり)うっとおしかったですね。
私も人のこと言えませんが。アスペぎみの私に空気を嫁と睨まれるほどだから相当興奮していたブロガーさんでした。それほど正気を失わせるほどの美味しさなんだと思います。
しかし、私はそのブロガーさんに言いたかった。こんなステキメニューを三ついっぺんに頼んでレビューしてしまうというのは実にもったいないのではないか。
こんな美味しい丁寧に一口一口、一期一会で楽しむのが良いです。
フレンチトーストとホットコーヒー。セットじゃなくて、別々に注文するんです。
来るとちょっとビックリします。かなり分厚いです。迫力あります。
強烈なゴールドです。香りも相当です。
分厚いトーストの6面が丁寧にこんがりと美しく輝いております。
普通ならそこにクリームだとかフルーツだとか盛りたいところですが、白い皿にスッキリと置かれた、いさぎよい黄金の延べ棒。
そこにシルバーの昔ながらの器に入ったシロップよ。
たらりたらりとかけます。
素朴な処女に滴る蜜を掛けられ禁断の大人の喜びを知ったように少しずつ沁みテラテラと色香漂うフレンチトーストレディ。
清らかな乙女をざっくりと強引にいただきますぜ。
ああ、、、、
おいすいいいいい。口の中がとろけるうう
犯したつもりが侵された 金曜の朝のことでした。
トーストを堪能した後、熱い珈琲をゆっくりいただく。これまた丁寧に入れられた漆黒のコウヒイ。私はミルクも砂糖も入れないのです。
あまりに酔いしれてボーと半時すごして勘定をしようとしたら、朝なのに、既に、ものすごい行列でした。早く言ってくれたら席をすぐ立ったのに、ごめんなさい、と謝ったら
お姉さん、微笑むだけ。いつもそうです。一人で座っている客でも絶対に絶対にせかさないんですね。こういう接客もすごいです。
百貨店のような見得を切るような上品さでも居酒屋のようなパフォーマンスでもない、非常にあっさりした接客なんですが。何もかもいい塩梅なんです。自然な感じなんです。
また来ます。すいません。おおきにです。ごちそうさまでした。