不祥事を起こした女医。彼女が旧東ドイツ、ある地方の小児外科に赴任してきた。物語は壁の壊れ東西ドイツが統一する10年ほど前が舞台。
彼女は、自由な西に渡りたい。
社会主義国特有の地味な淡々とした風景。荒野に風が吹きぬける。その様がなんとも情緒的。
建物もインテリアもすっきりしていて、先進国の派手なデザインが下品に思える。みんな優しくて地味そうだし、東ドイツも暮らしやすかったんじゃないの?なんて思う。どこかで読んだけど旧東ドイツの人には資本主義社会は暮らしにくいと感じているとも。「ドイツ統一前、分断していた頃の方がよかった。東には仕事もあったし」との意見もあるとか。
この主人公の女性のシュッとした感じ。地味だけど、シンプルなファッションと立ち姿に目を見張る。こういうのが美人っていうのよね。地味な北朝鮮の女性の画像の方が美しく感じる、あの感じに似てる。戦前の日本の女性とかね。
しかし、虐待日常茶飯事の作業所とか、相互監視とか、家宅捜索とかあるのが分かってくる。物語には、露骨に出てこないですが。全体主義国家、社会主義国家らしい一歩間違えば奈落の底的な恐怖がじわじわくる。
噂によるとドイツの男性って
めちゃめちゃ優しいらしい!
物語には、二人の優しい男性が登場する。西側の豊かな男性。東の誠実で心の美しい男性。主人公の女性は、二人の男性の間で心が揺れ動く。あたかも東ドイツと西ドイツ、両方の祖国に心が引き裂かれるごとく。
どちらも、めちゃめちゃ優しそうやんwどっちでもええがな。
連続して観た「千年の愉楽」の男どもが破天荒なクズっぷりだった。なので、よけい、この映画に登場するドイツ男性の優しさが、染みいるわあ。
東ドイツの方の男は、同僚の医者なのよ。それがクマさんみたいでね。料理とか作ってくれるのよ。ええわあ。