台風が去って、強烈な暑さの京都祇園、八坂神社前。
京菓子の老舗「柏屋光貞(かしわやみつさだ)」さんに行ってまいりました!
毎年、この7月16日のみに発売される厄除け菓子・「行者餅(ぎょうじゃもち)」が販売されるのでした。
かっこいいパッケージです。この店主の方は版画もなされるアーティストなのです。
常は出ませぬ ●▼?? 七月宵山ニ限ります…
と書いてあるのでしょうか。八坂の紋もまぶしいです。祇園祭は八坂神社の祭礼なのです。屋台の出る宵山3日間と鉾が街中に練り歩く日だけが祇園祭と思いがちです。が、実際の祇園祭は、7月いっぱいです。
昔知り合いの役所に勤める、鉾町の職員さんがいて、7月いっぱい、絶対に休んでいる、毎年。というのを聞いて、びっくりしたものでした。(町内会の大変さどころではないでしょう)京都のその町の方々にとっては、それほど大変かつ大事な行事なのでした。
もう毎年いただいていますが
このふんわりとした、布が折りたたまれたようなクレープ、そして、山椒の香り…
何度見ても、うきうきして、幸せな気持ちになります。
祇園祭は、古来から疫病除けのお祭りです。この店の店主さんは、代々、修験道の行者さんなんです。昔昔、かつて修行中に、夢でこの菓子を告げられた。やがて無病息災の霊菓として、祇園祭に奉納するようになったと。
この菓子をいただくたびに
ああ、うれしいなあ、また半年頑張ろう、ありがたいなあ~
と思うのです。(何故半年かというと、半年後の2月には、法螺貝餅というのがあるため)嬉しいときも楽しいときも大変なときも泣きたいときも、この芳香な味、誠実で美しい真心のこもった手仕事に何度励まされたことでしょう。
昨今の洋菓子にはない、シンプルな外見ですが、一度召しあがってみてくださいよ、ねえあなた。
中には、とろりとした、味噌あん。山椒が入っていて、ぴりりと口の中でスパイシー。
餡に包まれているのは、白い御餅。柔らかいクレープ生地。口あたりが清々しく、疲れた夏の身体にしみわたる甘さ優しさ。
多くの店が、祇園祭の和菓子を販売しますが、餡を包んだ調布(クレープやドラ焼きなどパンケーキ状のもの)が多いです。この行者餅の影響を受けているのではないでしょうか。