更年期から墓場まで

子梨・更年期BBAの私見偏見吐露雑談ブログです。

「かんにん」は男を殺す『京女の嘘』井上章一 を読んで

何十年もはるか昔のこと

私は「パソコン通信」というものをやっておりました。

パソコン通信といえばニフティサーブとか。今は知る人はいるのでしょうか。緑の画面に白い字が出ていて、今でいうSNSやチャットのような交流を楽しんでいたのでした。

当時も匿名でのやりとりだったのですが、集団のグループチャット。何かのきっかけで今自分が京都で暮らしていると書くと

空気が変わったことを覚えています。

観光地について、京都人だけが知る名寺を教えてくれとか

「どすえ」とか「かんにんえ」とちょっと言ってみてくれとか

さっきまでアニメの話をしていたではないかと呆れましたが

京女がいかに他府県民(特に東京~関東圏)にもてるのか思い知った出来事でした。

もちろん、私の本性は「滋賀県民」であり、高校からのニワカ京都人であり、京都人とは三代住んではじめて京都人であると説明すると

男たちは面白いように潮が引くように去ったのでしたが。

京都人の生態や暮らしをつづるエッセイは多くあり

入江敦彦さんのものなど 知る人ぞ知る京都人の暮らしを綴る本は人気があるものです。

京都人だけが知っている (宝島SUGOI文庫 D い 1-1)

京都人だけが知っている (宝島SUGOI文庫 D い 1-1)

 

 近年出たあの本

京都ぎらい (朝日新書)

京都ぎらい (朝日新書)

 

は、この帯の過激な

千年の古都のいやらしさ、ぜんぶ書く

という衝撃的な文言

なによりも題名

京都ぎらい

という これがまたヒットした。いわゆる炎上商法だったのですね。

内容は、宇治市民による京都市民のディスリネタが受けた。

非常に矮小な狭い世界の京都人による京都叩きw

内容は炎上というものではなく 大半は文化論みたいで、京都のワルクチは思ったより少なく

それでもやっぱり京都が好き♪えへ^^

という結論でした。

それに味を占めた出版社はまたも出した京都本 井上章一先生のKYOTO第二段

内容はやはり京都の女性ディスリのような

帯であおる あおる

またしても乗せられて釣られて買ってしまいました。

京女(きょうおんな)の嘘(うそ) (京都しあわせ倶楽部)

京女(きょうおんな)の嘘(うそ) (京都しあわせ倶楽部)

 

 内容は、またしても、京都の女性へのワルクチもどきは1/3程度で

大半は、文化論、美人論、歴史のちょっとした物知り雑学なんです。

やはり巻頭の、その1/3の「京女論」が面白かったです。

京都暮らしが長い人には自明のことが書かれていて、知っていることが多いんです。しかしこうまで文章化して書いている人は少なかった。文章も軽妙で読みやすい。さすがの井上先生節で、痛快。すいすい楽しんで読めます。

同志社や京女(京都女子大学生のこと)の違いや、いわゆる読モに占める京女についての辛辣な描写は「あ~そうなのよね」と、苦笑いせずにはいられません。

なぜ京都ぎらいな人でも、京女のことは好きなのか? 

そう、その秘密は京都弁にあると井上先生は述べています。

「かんにん」と部下の京女に言われた東京男についてのエピソードがおもしろかったです。

かんにん この言葉を柔らかく聞かされたオノコはどんな気持ちでしょう。

もう、こんな感じで脳内がモモイロになっているに違いありません。

「かんにん」なんてたかが地方の方言のひとつに過ぎないのですが。

この言葉の持つこの言葉のイントネーションの持つエロさは日本一でしょう

今の京都の若い人でそんなにこの言葉を使うことは多くないとは思います。

しかし、私が京都に住まうようになってはじめて、この言葉を聞いたとき

ああ、こりゃあ、かわいいわ

と感動したことを思い出しました。

高校のクラスの洛中の娘さん。

京都の女性といえば安田美沙子さんを想像する人は多いでしょうが、

「またあれ作って」と言われる幸せごはんレシピ (講談社のお料理BOOK)

厳密には洛中の方ではないので、本当の意味での京オンナであるかは論は分かれるでしょう。(←そういった洛中ナショナリズムに京都人の底意地の悪さをみると井上先生は前著で述べていた。そこが拍手喝采で受けた)

その論はさておいて、まさに本当の洛中の京オンナ、市中の京都の女性。彼女らには芸能人京都人のような人は少ない。

世間で流布されるより想像されるより実態は非常に地味な人々だと私は確信しています。(確かに美人は多いです。しかし、それを決してひけらかすような感じの美ではなく、化粧は薄く服装も簡素です。それは控えめ、というより京都人ならではの”しぶちん”精神からもきています)

その学生時代にクラスにいた京都の娘さんも地味でした。いるかいないのか分からないかのような風情です。が、肌は白く、いつも半分に伏せられた目は優しく、こりゃえらいことキレイな人だなと。そして彼女は洛中の何代もの老舗の娘さんで、とてもそうとは思えない地味な服で過ごしていた。

で、彼女は何かのきっかけで言ったのです とても優しい声で

かんにんえ

と。

私は、ああ、なんて可愛い言葉だ、すごい、これが京オンナか。

と震えたことでした。

京女に「かんにんえ」と言われた

同性の私でもこうも感動して昇天してしまうのだから、男性、特に東(あずま)男などイチコロでしょう。

 

おそるべし、京オンナ。

 

この

京女(きょうおんな)の嘘(うそ)」にはそういった京オンナの魅力

京都の女性のみならず、秋田や名古屋の美人について。美人とは何か という歴史に踏まえた雑学や評論がつまっている。

読みやすいし、酒の席でのウンチクとして回りの人の関心をひけること請け合いです。

京女(きょうおんな)の嘘(うそ) (京都しあわせ倶楽部)

京女(きょうおんな)の嘘(うそ) (京都しあわせ倶楽部)

 

 ▼私のふるさと滋賀県愛が満ちた新地元マンガ

三成さんは京都を許さない 1: -琵琶湖ノ水ヲ止メヨ- (BUNCH COMICS)

三成さんは京都を許さない 1: -琵琶湖ノ水ヲ止メヨ- (BUNCH COMICS)

 

京都にけんかをふっかける滋賀県民のマンガなんですが

題名に「京都」と入れて検索引き売れ筋を狙うのが悲しい。滋賀作(と京都人は滋賀県民を見下げて呼ぶ)は京都を仮想敵とする。しかし、琵琶湖の水は取られるしこうして追従せずにはいられない奴隷性分が辛い。

無料で読める▼

comic.pixiv.net