更年期から墓場まで

子梨・更年期BBAの私見偏見吐露雑談ブログです。

The Beatlesさんってどんなバンド?映画「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years」

ビートルズの映画観てきたよ!

9月22日から映画「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years」が公開されていたので観に行ってきました!

eiga.com

大雨でのシルバーウィークでもあり、初日ということで、満席でした。

客層は、年配者が多いかと思いきや、若い人も大勢を占め、老若男女、ビートルズは音楽ファンに愛されているのだなあ、と感動しました。

私は、特にファンというわけでもないのですが、仕事しながら掛けているCDがザ・ビートルズ 1+ ~デラックス・エディション~なのです。

しかしそうか、しょっちゅう掛けているということは私はビートルズファンということなのでしょうか?

でも英語は全然わからないし、映画館に熱心にワクワク詰めかけているコアなビートルズファンが沢山いる。隣に座っていたあのアートな人達は何年に発売されたあのLPがどうのとか話してましたから。その人らの前ではとてもファンだとか言えないわ。

私など

ヘイジューフンフンフンふ~ん♪ なんて歌い方ですからねえw

▼最近発売された良い音源の演奏CDです。

ザ・ビートルズ 1+ ~デラックス・エディション~(完全生産限定盤)(CD+2Blu-ray)

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素晴らしいドキュメントだったよ!

というような素人同然の私でしたが、この映画「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years」は、まさにそういう私のための映画というか

The Beatlesさんってどんなバンドでどういう人達?

というちょっと今更聞くのが恥ずかしい層にもうってつけの映画でした。

わかりやすく、入門するのにいいです。もちろん、コアなファンの方々に向けての、未公開映像も満載。有名すぎて今さら聞けない?でもこの映画を観たらビートルズの沿革や曲のみならず、神髄や精神性を網羅できる。世界的な「アイドル」?というだけでない、時代を変えたアーティスト、ビートルズ。

こんなピュアで魅力的な人達なんだ、だから愛されるんだ、て良く分かるステキな映画でした。世界中で愛される4人組。

昨日見たミュージックステーション「日本に影響を与えた曲」にビートルズの曲とジョンレノンの曲が10以内にランクインしていました。田舎のおっちゃんが、嬉しそうにレットイットビーはスゴイとか言っていて、その笑顔が自然でステキだった。

オシャレだからとか都会だからとか英語だからとかじゃないんですね。大好きなんですよ。皆がビートルズを愛さずにはいられない。

激動の時代を反映した映画だったよ!

The Beatlesの活動した時代は、1962年~1970年までの8年程度です。しかし、ライブ事態は1965年までなので、実質的な活動は、4年程度ということになります。

たったこの数年が世界を変えた。リヴァプールという田舎町からはじまった小さなバンド。。10代の終わりから20代のはじめまで数年駆け抜けただけの若者たち。彼らの活動とサウンドが今なお世界中の音楽シーンに影響を与えている。何故こんなに世界中に愛されるのか。

ビートルズが活躍したこの数年はベトナム戦争、核実験、学生運動など、まさに時代のうねりともいうべき時代です。

映画は、ビートルズの歴史とキャラクターに触れつつ、彼らの活動がどのように時代に影響を与えていったか、その時代のダイナミックさを感じるドキュメンタリー映画です。

時代は公民権運動。まだまだ黒人差別が横行していました。公共の場所での人種差別がなされ、有力人種こちら、などという張り紙が公然と貼られていました。今でこそメジャーリーグは黒人選手が多く活躍していますが、当時は黒人の選手が登場したらブーイングされていたような記憶があります。

そんな時代にビートルズは公然と放ちます。

そんなのバカげてるよ

コンサートに有色人種の待合室を作り隔離しようとしたら、そんなことをするなら俺たちは演奏なんてしない、と言ったのです。

当時の世相からしたら、相当怖いもの知らずです。

女優ウーピー・ゴールドバーグは、若いときからのビートルズファンです。

白人だから白人なのに彼らを好き!とか関係ないの。イケていない私でも彼らを大好きになれる、そんな魅力がビートルズにあるの!

ビートルズは、人種・国境や宗教を超えて世界中で愛されました。それだけに影響力はものすごく、各国で行われたライブでは大勢の若者が詰めかけ、警察もその熱狂を抑えようとして大騒ぎになります。

10代の若者が世界の潮流に乗り上げた最初のムーブメントだというようなことを映画では言っていた。

ビートルズ日本公演

1966年には日本公演が行われました。

あの法被を来てJALで降りてきた彼らの姿は、もはやアイコンですよね。

当時の遠征に張り付いて写真を撮影した浅井慎平さんは言います。あまりの人のファンの殺到に

従軍写真家だった

 と。NHKのビートルズの日本公演に出た当時10代だった人々のドキュメンタリーが放映されましたが、このコンサートに出るために何百枚とハガキを出したとか(今のネット注文とは違い、ハガキ受付当選なのです)、当時の空気をビンに詰め込んで保存していた人もいたとかエピソードに事欠きません。

しかし、ここまで若者に影響を与えるビートルズ、日本社会に非常に危険に映りました。(現在の年配者の方々も、かつてはそうして大人たちに迫害されていたのです。高齢者が今ポケもんがダメとか言うのもナンセンスなことです)

新聞や雑誌、張り紙で「危険思想や堕落を招くビートルズは帰れ!」との排斥運動が起こります。

各国の新旧の争いの先鋭の象徴とされたビートルズ

特に右翼運動の反対は凄まじく、今はPOPミュージックが武道館でコンサートをするのが至極当然ですが

あの時代、日本武道館という日本の伝統を体現する場所でそのような鬼畜米英?な西洋バンドが来て演奏するのはけしからんということで、あの大日本愛国党総裁の赤尾敏が街頭演説を行うなどした。警察も総動員され、日の丸が掲げられて警官があちこちに張り付いたコンサート、外出が禁じられたビートルズさんもさぞかし大変な思いをされたでしょう。

ビートルズは各国の避雷針となった

という解説が映画にありました。

日本だけでなく、その後、公演に向かったフィリピンでも大騒動が起きました。ビートルズがイメルダ夫人の晩餐会を断ったということで、国民感情を刺激したのです。暴動寸前となり、彼らの命が危ういまでの事態に。世界はまだ独裁や保守的思想、ファシズムの影響下にあった。ビートルズの新しさや率直でピュアな姿勢は、若者の心を捉えたものの、古い体制や宗教観を支持する人々には非常に危険なものと見なされたのです。

キリスト教原理主義者を炎上させたジョンレノン

彼らを最も危険にさらした 今でいう炎上事件というものがありました。それは、1966年、ジョンレノンが発言に端を発しました。

ビートルズはキリストより有名

と言ってしまった。

当時のイギリスは、若者が日曜に教会に行かなくなってきていた。その世相を受けて言ったものです。宗教改革の争いを繰り返し、その折り合いに慣れているイギリスではジョンのこのジョークは、炎上しなかったのですが

アメリカのキリスト教原理主義者達はその言葉に激しく反応しました。アメリカとイギリスの宗教土壌は違います。(詳しくは「反知性主義: アメリカが生んだ「熱病」の正体 (新潮選書)」が分かりやすく面白いです)現在のアメリカのトランプ対クリントンの対立感覚、南部の宗教観が分かります。

アメリカにおけるキリスト教は(主に南部)ショービジネス的で独自で歪な純粋発展を遂げています。その原理主義は一時日本人の若者が影響され問題になりました。IS批判をアメリカが言うか、おまいう、というほどカルト的危うさがあります。

彼らがジョンの「キリストより俺らが有名」発言を曲解し炎上させ、各ライブ会場には脅迫も相次ぎました。

こういった思想の反発だけでなく、ライブ会場で満足できる演奏ができないということでビートルズは活動場所をライブからレコーディングへと移していきます。

ジョン曰く

この人達は演奏を聞きに来たんじゃない ビートルズという見世物を見に来たんだ

映画の終盤に放映された、ニューヨークのシェイ・スタジアムでのコンサートは、55600人もの観衆が詰めかけましたが、その音源は悪く、観客は、メンバーの動きで何を歌っているのか理解する程度だったと。そして気が狂ったように観客席から前に飛び出て抑えられ、失神する女性たちを警官が運び出すシーンが何度もありました。演奏をしている4人にはもはやデビュー当時のうれしさや喜びがなく、必死で「仕事をしている」という体でした。

映像の観客の熱気は、病的で、異様な雰囲気で緊迫感がありました。ライブで演奏することに危険は増してきました。

The Beatlesはキリストのようなものだった。あの時代の過渡期の人種宗教国境を超えて愛され影響を与えた彼ら。キリストが群衆に支持され、しかし、その熱狂の中で叩かれ、そして張りつけになるような恐怖を感じたに違いありません。

ようするに、ヤバイもうやってられないよ、ということでしょう。

そして、彼らは20代の半ばに差し掛かり、それぞれの家庭ややりたい音楽性があります。もはや4人が一枚岩のように結束してはいけない。大人になったのです。

いつまでもShe Loves Youって歌っていられない

と。

それから数年は表だった活動はせず、レコーディング活動のみになり、表に出ることがなくなりました。それから4枚のアルバムを出し、彼らは解散に至ります。

田中哲司さんとエプスタインが似てたよ!

映画はThe Beatlesの始まりと解散までの数年を実にうまくダイジェストに編集していました。その中で田中哲司さんに似た男がちらほら存在感を醸し出す。

彼こそが、5人目のビートルズメンバーとも言われたブライアン・エプスタイン。ビートルズのマネージャーです。

いわばビートルズの産みの親、こんな髪型にして、こんな服装にして、こんな売り出し方をしてって、プロデュースしたんですね。

彼がいなければビートルズはなかった。最初のリヴァプールからずっと彼は4人の家族のように付き添い、演出し、助けた。

しかしライブ活動が終わり、4人が自立に向かったとき、<エプスタインはその役目を終え、孤独の中でその舞台から降りていきます。

映画ではヨーコをはじめ、このエプスタインなどのスキャンダル的な人間関係には触れていませんが(あまりに有名なのであえて映画のエピソードに必要としないと判断されたのでしょう)

ユダヤ人で同性愛者であったエプスタイン。彼の複雑なメンタリティーや人生もドラマチックで興味深く思います。

ビートルズをつくった男―ブライアン・エプスタイン (新潮文庫)

ビートルズをつくった男―ブライアン・エプスタイン (新潮文庫)

 

この映画「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years」ドキュメントといえど、分かりやすくエキサイティングで楽しめます!

今まで冷や冷や知ったかぶりしてたあなたも彼女の前でウンチクたれて見得を張りたいあなたにも。ビデオもいいですが、大スクリーン、音響で聞くのが楽しいです。期間中にぜひ映画館で。

4人の若い笑顔に胸キュンしました。やはり、The Beatlesは永遠のアイドルです。


「ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK - The Touring Years」特報