更年期から墓場まで

子梨・更年期BBAの私見偏見吐露雑談ブログです。

急に焦りはじめた

それは進歩なのでしょう。

以前は「絶対死にたくない死にたくない生きていられるならキノコでもいい」と思っていたのが、

さすがにキノコは嫌だな、癌患者でいるのに飽きたな、普通の生活に戻りたいな」という意識に変わってきている。

願いが「生存」から「生活」にシフトしてきているのです。手術をした2ヶ月前には考えられないことです。直ってきた、少なくとも、生きていける算段ができた、てことだから、ありがたいことです。

とはいえ、込み入った治療は、来年まで続くので、当分は、癌患者でいるのは辞めるわけにはいきません。日記も癌ネタ以外思いつきません。

治療しながら、何かと色々頑張るってのもありなんですが、あえて頑張りすぎて、治療を停滞させるのもナンセンスです。(体調を崩して白血球が減ったりしすぎると、抗癌剤の投与がストップすることもある)この状況で今しかできないことは何かと模索はしてます。夫曰く「起きてると暑苦しいから一日20時間くらい寝ててくれると助かる」と言います。今までの私の主婦業の価値って何だったんでしょうか…w

「仕事ください。抗癌剤真っ最中で、放射線毎日やるけど、よろしくお願いします」とメール打ちまくり。相談された方もお困りでしたでしょう。申し訳ございませんでした。

■それでも意識は、徐々に普通の日常に戻す必要がある

大ファンの、佐々木俊尚さんのツイートから知った本なのですが、

あらしの前 (岩波少年文庫)

あらしの前 (岩波少年文庫)

  • 作者: ドラ・ドヨング,ヤン・ホーウィ,Dola de Jong,吉野源三郎
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2008/03/14
  • メディア: 単行本
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あらしのあと (岩波少年文庫)

あらしのあと (岩波少年文庫)

震災後の理性の持ち方について示唆に富んでるんですが、読んでるうちに自分の癌との向き合い方についてヒントが一杯あるなあ、と。児童文学なので、ルビが振ってあり、ぼへら〜とした今の自分でも楽に読める。何よりも面白い物語。

たぶん、私のこの経験は、「あらし」なんだと思う。

「あらし」が来たら人はどうするか。まず「あらし」によって死なないように怪我しないように必死になる。「あらし」をどう乗り越えるか。隠れたり、避難したり、家を補強したり。そして、その後が大事。この「あらし」をどう忘れ、どう、日常に戻り理性的に生き直すか。

その経験は、恐怖だし、人生を変えてしまうかのような威力がある場合がある。だから「あらし」によって、心が壊れたまま何年も過ごしてしまったり、「あらし」体験を自分のアイデンティティーにしてしまい、本来の自身の責務を放棄してしまったり、すべてを「あらし」に結び付けて生きてしまいそうになる。(××被害者という人にそういった傾向の人をたまに見るような気がします。あまりに辛い経験でそうなっちゃうのしれないけど…。)

そりゃ再発や転移は怖い。癌患者さんも色々いはるのがわかってきた。病気になったからこそ家族や友人や自分の仕事を大事にして日常を笑って楽しんで過ごそうって人。一方、十何年も再発を毎日おびえて過ごしてきてって言う人もいて。どっちがいいかというと、そりゃ、前者がいいよね。病状の違いがあるからそう単純なことじゃないと思うけど。簡単にはできないけど。

私もやることやって、今後の方針(食事療法、継続的な治療、患者会への参加とか)が決まれば、なるたけ力をふりしぼって、普通の日常に帰りたいと思う。前向きに笑って過ごす、なんて高度な技はできなくて、病気以前のボ〜っとした漫画オタク主婦に戻るだけだけど。それ以上ふりむいてはいけない。舵をとりなおさねばならないと(私においては)思う。

今は、あらしの中。もう少しの辛抱。



大野左紀子さんのブログなど▼

あらしが来るとは誰も思っていなかった ---- ドラ・ド・ヨング『あらしの前/あらしのあと』
http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20110318/1300396386