更年期から墓場まで

子梨・更年期BBAの私見偏見吐露雑談ブログです。

WEB漫画|町内会と私22|30年前のあの場所

切ない団地の温かい思い出

今でも思い出します。あの団地の風景。

学校から帰ってきたら、母親がいる。母親の友達のおばちゃんたちもニコニコしてこっちを見ている。たくさんの友達。ランドセルを放り投げてみんなで公園にいった。時間を忘れて泥んこになって遊び、夕暮れ。5時になるとお母さん、各家のお母さんの声がする。

ごはんができたよ~!

その光景を思い出すたび、光輝く絵のように迫ってきて、なんとも甘酸っぱいものがこみあげて、泣きたくなる。

あの雰囲気が忘れられなくて、数年前から、古い団地に住んでいるのでした。

私は団地が好きだ。

私と同じように、子供時代を団地やマンションで過ごし、コンクリートの壁が連なるあの光景こそが故郷、原風景のように思っている人は多いのではないでしょうか。

団地ともお

アニメ「団地ともお」という番組が大好きで、毎週見ているのです。原作もビックコミックスピリッツで連載されています。

子どもたちと母親、老若男女子たくさんのご近所さんたちの交流、子供たちの冒険と成長。あのマンガは、現在の日本ではなく、私たちの子供時代のものです。あの時代、あんな子供時代、ああ、そうだった。あんないたづらしたなあ、した。お母さんにあんな風に怒られた。そういう人があの「ともお」を見て、じ~んとしたり、当時の瑞々しい気持ちを思い出すのです。

あの団地の風景は、今はどこにあるのでしょう?

平成の高齢化マンションと団地

現代、多くの老朽化したマンションや団地。その住民の過半数近くは、いまや高齢者が占めており、少子化のせいもあり、子供の姿はほとんどみられません。

進むマンション所有者の高齢化 老朽化問題も現実的に

管理組合を襲う「老朽化」と「高齢化」の波 [マンション管理] 

今、私が住んでいる我が団地でも同様です。何度も書いているように、高齢者がほとんどを占めています。

高度成長期、若い夫婦のコミュニテイが形成された、団地・マンション。彼らはそのまま住み続け、そして、老いた。

現代も新築マンションはあるでしょうが、かつてのような密接なお付き合いが住民同士にあるとは思えません。やはり、現代は共働きが多くて、昼に家にいないし、子供たちも塾や習い事に行っているのでしょう。公園より室内でゲームやネットを楽しんでいるのかもしれない。親密なお付き合いを避ける人も多いでしょう。それが普通なのです。

あの団地という摩訶不思議な場所

あの高度成長期の団地という「場」が特殊だったのです。

だって、もともとの日本の居住空間とはまったく違う。農家のような仕事と住居と村が一体化した場所じゃないんですよ?たとえば、西陣なんて、織物関係の人ばかりだとか。団地・マンションは突然、造成され、はじめて夫婦だけの家族形態=核家族の人がこしてきて、夫は外へ働きにいき(サラリーマン)妻は家にいて、子育て。

昔から日本人ってこうだったような気がしますが、戦後にはじめてそういう不思議な形態の居住区ができたのです。

移民、その土地に根付いて農業をするわけでもなく、住み着いた、まるでディアスポラのような人々です。我が親世代ってそういう人たちだった。

そこで作り上げらたのが、団地文化。とても特異で斬新だった。オリンピックに万博。戦後の若い夫婦たちは、働けば働くほど豊かになる。明るい未来を夢見た。

しかし、その不思議な居住空間もだんだん、「村化」していきます。

思い出すと、30年前、我が実家も団地生活になじんでいるようで、何度か引っ越していた。今にして思えば、母親も女性同士の密接な付き合いに疲れたのではないかと。当時の母親と同じくらいの年になってみてそう思う。

実家の住まいの団地は、会社の社宅だった。現在は、企業に社宅を持つ余裕がありません。が、当時は沢山あったのです。日本の企業は住居もめんどうみてくれていたのです。夫の同期の上司の部下の奥さんとその子供と家族のように付き合い、まるで、ひとつの蜂の巣のようなコミュニティを築いていたのです。