更年期から墓場まで

子梨・更年期BBAの私見偏見吐露雑談ブログです。

カラテ地獄変 牙 梶原一騎 空手(からて)マンガ

梶原一騎のファンである。

で、最近、こりゃすげえ、と読んでいるマンガが、「ボディガード牙」より始まる「カラテ地獄変 牙」シリーズである。

空手マンガ。なんとも、毒々しい絵とバイオレンスな展開。

梶原一騎のすごいところは、スポーツの世界を通して人間関係を描いていることだ。

巨人の星は、一徹と飛雄馬の親子関係を描いている。が、この「牙」シリーズは師弟関係である。

「愛」に翻弄される主人公。今で言えば、愛情機能不全?その中で成長した青年。空手で身体は丈夫になり、喧嘩は強くなるが、心は飢えていくばかり。そこへカリスマ的な「師」がつけこみ(?)次々と主人公は危険な目にあうのである。頑張っても頑張っても、愛に飢え師に利用される。しかし、目をかけられて出世するのは、学歴があり頭もよく、精神が自立した同僚なのである。読めば読むほど、その気の毒さに目を覆わんばかり。

もういいかげんに父親の代用である師と縁を切ればいいのに。頑張って無理をしても、愛される訳ではないのよ。認められる=充足すると思うのがおかしいのよ、あんた。故郷で好きな人と畑仕事でもしたらいいのに、とオバサンの私は思うのだが…。

強いのだが、もろい、という主人公こそが、梶原作品の魅力なんだろう。

人は生きるも死ぬも所詮は1人。なのに、心のどこかで人との繋がりを欲している。

そんな矛盾。それこそが人間の不思議さ、温かさだと。

映画「三丁目の夕日」には、人情味あふれる”過去”が理想化されている。しかし、実際のところ、戦後なんて、親は戦争で死んでいないか、全員貧乏で、生きていくのに必死。加えて「戦争に負けた」という挫折ネジリの心理。そうそう理想的な温かい人間関係はないだろう。戦後日本は、この「牙」に出てくるような、いかにも生きていくのが下手で、傷ついた人々が不器用に築き上げたのが実情なのではないか。その愛への飢えこそが、復興へのハングリーさの原動力ではないのか。

古本にもなかなかないのだが、探したら、京都のマンガミュージアムには揃っていた。

新カラテ地獄変 - Wikipedia

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