更年期から墓場まで

子梨・更年期BBAの私見偏見吐露雑談ブログです。

本宮ひろし「まだ生きてる…」がスゴイww

本宮先生!!どうしはったん?!

取引先がらみで最近落ち込んでる私に人が貸してくれた漫画である

本宮ひろし『まだ生きてる…

これがすごいのなんのって

なんじゃこりゃあ!!

男一匹なんちゃらのジャンプ肉食男子の全盛期の最前線の作家

本宮ひろし先生…

こんなすごいの描いておられたとは落ち込みなんて吹き飛びましたね。いやあまいったまいった。

60歳の親父の行きつく果ては

主人公は、うだつのあがらない定年を迎えた男性

サラリーマン金太郎のような輝きなんてミジンコもございません。

 

この目、髭…このリアリズム…

彼が定年を迎えなんと妻子に捨てられてしまうんですね!ひええ、なんてこったい。

で、首つり自殺しようとするんですが…死のうとしても死にきれない

自給自足生活をはじめる団塊サラリーマン

どうせ死にかけてたんだと開き直った主人公は山の中で自給自足生活をはじめてしまいます。


イノシシと闘ったり…w

大けがをしても酒をぶっかけて、

釘で自分の傷を縫いつけて

うおおおとか叫んで

(このあたりが本宮ひろしっぽい)自分で治しちゃったり…

竹で家を作って

酒や干し柿なんて作っちゃったり

そんな能力があれば 元々うだつのあがらない サラリーマンな訳ないんですが

ま~そこは漫画じゃけん

自給自足は男の夢

女は子供を産んで産みまくって笑い転げるのが生物として、楽しいのではないかとつねづね思っております。(生物、あくまでも生物としてですよ)

で、男の生物としての夢は何かというと

このマンガのように、野山で、原始人のように、ケモノを追いかけ作物を育てるのが楽しくて仕方がないのではないかと。

だってあちこちで聞きますもん。定年後に田畑を耕して自給自足、田舎暮らしがしたいとのたまうオッさんたちの声を。(実際は言うだけで本職の農民や漁師にかなうわけないんですが)

妻子のいないところで、 自分一人で好きなように 自給自足するなんて最高だ! 男のロマンだ!と。

このマンガはそれを見事に可視化しております。

ならば狩猟の仕方や保存食物の作り方をことこまかく描いてくれたらええのに、そうしたら追体験しているようにもっと面白くなるのに

なんて思いましたが

それをやっちゃうと 大東京ビンボ~マニュアルとか山賊ダイアリーに至るモーニングイブニング系のほのぼのライフ漫画になっちゃうからやんないんでしょうね。

あくまで、滅びゆく男の美学、プライド、闘いがテーマ。

集英社だから!ジャンプだから!本宮ひろしなんだから、こうじゃなくっちゃね!!ジャンプ作家ならではの男らしさがクドクドしくいや渋い輝きを放っております。

美女がたまらん

かつてのジャンプ全盛期

本宮ひろしの女性像は、当時の少年漫画の中でも群を抜いていた。

今なおその画力は色あせることがない。

このかわいさ色っぽさ

世を捨てた団塊のサラリーマンの前にこのロウたけた美女が登場する

本宮ひろしさんの奥様がもりたじゅんさんなんでしたっけ。24年組とか新谷かおるさんといい(佐伯かよのさんが奥さん)

少女漫画家が奥様だと女性の絵に艶が出るのかしらん

一方 主人公を捨てた妻は

で、この物語のサラリーマンを捨てた妻、これがひどい。マンガ史上最高の悪女といってもいい!

夫を捨て退職金をゴッソリかすめとり、亭主が行方不明になっても知らんぷり。その目つきの残酷なこと!!どんなホラーマンガより背筋が凍るよ。

で彼女が言うに

私の長年の結婚生活はは忍従だった。昔から夫が大嫌いで大嫌いでムシズが走るくらい嫌いだと気がついたが子育てのためには仕方なかった。と。

ひええ。こんな人怖い、と思うけど、決していない稀代の悪女の姿ではない。きっとこういう人いるいる。身近にいそうだ。別にさ、この奥さん、DVにあってたとかじゃなくて、主人公である亭主が嫌いだって、それだけなんよ。それだけで、ある日いきなり、子供と一緒に定年した男を捨てるわけ。

妻はきっと本当は悪人じゃない。主婦のうっ屈、ルサンチマンがたまりにたまり、そこに更年期が直撃してこうなっちまったんだろうなあ…

だってさ、うちの母親もそういう感じの時期があって。でも後から体調が整い毒が引けたであろう母が言うに実はお父さんが好きだったんだとかほざいて。わけわからんわ。

きっとこの妻もある時期を越えたら反省するのかもしれん。しないのかもしれん。

男の最高の復讐

で、妻子にひどい目にあわされる主人公。自給自足生活して美女と暮らしているうちに

妻の顔を…思い出せない

とな…ひええ…忘れたかWWW

おっさんってすぐ忘れるんだよな。楽しいことがあると。彼にとって自給自足と新しい美女との生活が楽しくて仕方なかったんだろうな。

これ、夫から妻への最高最大の復讐やね。

長年30年とか連れ添った顔を、別れて数年でいとも簡単に忘れるとは

反対にこの物語の、彼を捨てた妻は、きっと別れた夫から解放されない。一人で「のたれ氏ね」とブツブツ毎日一日中思っているんだろうな。

続きがある

このマンガは二巻仕立てになっていて

一巻は団塊の親父の自給自足二巻はその息子の物語

最近の宮崎駿の映画のキャッチコピーが

「生きねば」というものでしたが

このマンガの「まだ生きてる…」という題名の存在感がすごすぎます。

「…」という間が実にオッさんの人生への達観というか禅思想のような さとりというか…

ま~すごいんで機会があれば読んでみて!!