更年期から墓場まで

子梨・更年期BBAの私見偏見吐露雑談ブログです。

映画「最強のふたり」

次々映画館で公開延長が決まっているようで、相当良いらしいので足を運んでみた。

黒人と白人の友情映画かあ…

ハリウッドぽく「友達じゃないかあ!うおおおお」とか感動の嵐なんだろうなあ。ほどほどに泣かせてくれたら、まあ、ヨシでしょうなあ(←えらそう)

と思って座ったらフランス映画だった。

最強のふたり

全身麻痺状態となった大富豪フィリップ スラム街に住む青年ドリス。フィリップの介護にドリスが就くことになり…

いやはや、これはホントにスゴイ映画でした。

介護者と被介護、医療者と障害病者の関係を上手く扱っている。胸が熱くなる。映画館中に温かい笑いが何度も響く。

フランスは移民(特にアフリカ大陸)を受け入れており黒人が多い。モデルや俳優も黒人が多くいる。最近の印象ではオリンピック。サッカーも黒人の割合が大きかった。フランスが積極的に移民を受け入れたのは、労働問題が大きく関わっている。掃除や介護、工場・飲食店などのブルーカラーの確保のためである。フランスは、正社員となったものには手厚い社会福祉がある。一方、若者は就労が困難であるとか世代間格差、こうした移民黒人の貧困が問題になっている。失業保険を受給するためにドリスは面接を受ける。日本と共通点が多い。お金持ちの白人の障害者と、スラムの黒人青年。全く異なる立場の二人に思えるが、映画が進むにつれ、社会的被差別者、心に痛みを抱えた者同士であるとわかる。

大富豪フィリップは介護を、黒人青年ドリスは労働と住居というそれぞれのメリットで雇用関係となる。しかし、お互い、それぞれないものに惹かれあい、友情は育まれていく。

フィリップは、ドリスの 率直さ、黒人社会特有の家族愛やユーモアに

ドリスはフィリップの 芸術・知性に

暗闇に陥りかけたフィリップは青年に勇気をもらい、ドリスはフィリップの啓蒙で自分の可能性を発見する。

良かったのは、傷を舐めあい依存しあう映画に仕立てあげられてないこと。ともすれば、介護関係が末永く上手くいきました、というラストになりそうなものなのに。さすが自律と自由と洗練の国 フランス。あ、実話なのか。だから、余計すごいのだなあ。

ヨーロッパ的なクラシカルな音楽。恋愛を大事にするお国柄。黒人青年ドリスの底の深い美しさに目を瞠る、そこも必見。

最強のふたり

最強のふたり (字幕版)

最強のふたり (字幕版)