更年期から墓場まで

子梨・更年期BBAの私見偏見吐露雑談ブログです。

映画「エレ二の旅」

どっぷりメロドラマに浸かりたくて、女の一生ギリシャ版「エレ二の旅」を観てきました。

なんと170分!しかし、退屈しなかった。悲愛に満ちた音楽。地平線に黒と白のコントラスト。曇り空や雨ばかりの陰鬱な画面。滅入ってしまいそうな、3時間であるが、それがまたよい。

ギリシャといえば、最近のデモが思い出される。公務員がいっぱいいて、EUの財政破綻の一因の国?ギリシャ・ローマ文化というが、ギリシャについてはよく知らない。ギリシャ料理が旨いと以前人に聞いて、料理が出るか出るかと期待していた。が、一切でず、生活苦どんぞこ、コーヒーすら登場しない。酒だけである。恐ろしく寒そうな泥沼・貧農、荒涼な風景が繰り返される。

物語をかいつまんで言うと、エレニという孤児がいる。革命時のロシアから、ギリシャへ集団で帰国。貧しい村で皆が暮らし、少女エレニは養女として育つ。そこの家の息子と恋仲になり、身ごもる。しかし、養父がエレニと結婚したがり、若い二人はカケオチして逃避行 。そうこうしているうちに戦争になって…。

ポスターに、泣きじゃくるような主人公エレニが出ている。この画像の通り、メソメソメソメソメソ泣きっぱなしである。

何か起こると「どうするの!?どうするの!?」と頼りなげに彼氏に詰め寄る。…しっかりせいよ…と現代女性なら思うだろう。

顔は福原愛にちょっと似てる。「サー!」とくらい叫んでくれたらいいのに。そのジリジリする感じが、昔の日活系メロドラマのようで楽しめる。

私の愛する相手はみんな死んでしまった 私はいつも難民なの

夫と息子にすがりっぱなし。よるべないとは正にこのこと。女三界に家なし。「おしん」の方がよっぽど強いわな。しかし、ヒロインとはそうしたものだ。守ってあげたい、と男性は思うのだろうな。薄幸美女だな。

しかし、この時代なら、こういう流されっぱなしな感じなのは当然なのかもしれない。あとお国柄?男がおしゃべり、女は無口で、 貞淑かつ服従する感じ。エレニ、という名前は平凡な名前なんだそうだ。運命に翻弄されるアイコンとして彼女は存在するのだ。

感動したのが、エレニの脚線美である。黒いヒール、すっとした足の感じが素晴らしい。黒服が似合い、何かの象徴のようにエレニは静かに立っている。頼りなさげに見えるが、完全には倒れない。ハイヒールでガシガシ走る!走る!彼女は時代の全てを見届けるための、黒い天使なのだ。

物語の前半は流浪の音楽家たちの群像、といった感じ。アコーディオンやヴァイオリンの音色にうっとりとする。

エレ二の旅